Vol.3 本がつないだ再会と、ワークショップという出会い

先日、久しぶりに古い友人から連絡がありました。
数年前に遠くへ引っ越して以来、連絡を取ることがなくなっていた彼女。SNSではつながっていたので、いつでもメッセージは送れるはずなのにそれでも連絡をしなかったのは、どこかで「つながっている」という安心感があったからかもしれません。

そんな中届いた一通のメッセージ。きっかけは「散歩の達人」という雑誌でした。私たちの記事が掲載されているのを偶然見つけた、それを読んで懐かしくなり連絡をくれたのです。その瞬間、共に過ごした時間や交わした会話が一気に甦り心がじんわりと温かくなりました。
そして、「また会おう」と約束を交わし、再会の日が決まりました。「散歩の達人」が、思いがけない再会を運んできてくれたのです。


今は、検索やSNSを通じて、手軽に情報を入手することができる時代となりました。(このコラムを読んでくださっているのも、そんなツールのおかげかもしれません)
その中でも「調べてみよう」「読んでみよう」「会いたい」と思い行動に移すのは私たちの意思がはっきりと表れています。その一つの行動が、人と人とのつながりを生むきっかけにもなるのでは… そんなふうに感じた出来事でした。

ITO BINDERYのワークショップも、そんな“つながり”の場です。
「どんな色を選ぼう」「どう仕上げよう」
参加される方々は、自分の感性と向き合いながら手を動かし、ものづくりを楽しんでおられます。その中で、製本の技術や工程にも少しずつふれ自分なりの作品を完成させていく。そんな時間の流れと会話が、自然と人と人との距離を縮めてくれているように感じます。

おひとりで参加される方は、その静かな時間を丁寧に味わいながら。
ご友人同士やご家族で参加される方々は、お互いの工程を見守り、時に笑い合いながら。
その空間には、自然とあたたかな会話が生まれ、私たちにとってもたくさんの気づきや学びをもたらしてくれます。


本を手に取ること、何かを体験してみること…
そのひとつひとつが、誰かとの出会いや再会へとつながっていくと気づかせてくれた
「散歩の達人」「ITO BINDERY ワークショップ」
思いがけないきっかけが、心を動かし人との関係を少しずつ深めてくれる。
そんなつながりの温かさを、これからも大切にしたいと感じています。

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